長浜市余呉町のよご認定こども園が、三〜五歳児を対象にわら草履を使った保育を実施している。市内では唯一の取り組みで、前身の幼稚園時代から三十年ほど続いている。
わら草履を履くと鼻緒を指で挟むため、土踏まずの発達や安定した体幹づくりにつながるとされる。独特の感触は脳の活性化にもよいという。こども園では、体を動かす活動の一環として採り入れた。
作り手は地元の住民有志。現在は農業筧太郎さん(88)、是洞昭蔵さん、田川み千代さんの三人が毎春、老人会を通じて三〜五歳児全員分を寄贈。本年度は四十三人が新たな草履を手にした。
わらは古い着物の布などを巻き付けて編んでおり、カラフルな仕上がり。初めて目にする園児は「かっこいい」などと喜ぶという。足の上げ方が分からず、初めの数日はすり足のようになるなど、幼い子どもにとっては刺激いっぱいの体験。中川裕子園長(58)は「地元の協力があるからこそ続けられる」と喜ぶ。
筧さんは「うるち米のわらは固い」として、もち米を作る。収穫も、わらが傷まないよう手刈りするこだわりよう。園では毎年編み方の実演もしている。「子どもたちが喜んでくれるとうれしい。ずっと続けるためにも...
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May 30, 2021 at 08:56AM
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