「すてきな思い出をありがとう」―。半世紀近い歴史がある松坂屋静岡店（静岡市葵区）地下１階のお菓子の量り売りコーナー「回るお菓子売り場」が２３日、同店の改装に伴い撤去される。“おまち”に出かけた際に立ち寄った思い出の回転台に別れを告げようと、多くの人たちが訪れている。
台の正式名称は「グラム」。春の全店改装に合わせて閉鎖が決まると、店側が用意したメッセージボードには引退を惜しむ声が寄せられた。
「祖母が『おまちに行く？』と言うと、ここのお菓子を買ってもらえる合図でした」。こんなおばあちゃんとの懐かしい記憶や「父と一緒に来た思い出のお菓子売り場です。今は私の娘と来ています」と３代にわたる利用者の声も。「回るお菓子売り場は私の心で生き続けます」と別れを惜しむメッセージもしたためられている。
菓子コーナーは１９７１年に設置され、子供たちが、チョコやキャンディーなどを好きなだけかごに詰め込み、購入していった。「静岡の食文化を広く発信し、県外の食文化を県内に紹介するのが今度の店舗の方針。フロア全体の刷新と売り上げ強化の意図もあり、やむなく廃止を決めた」（同店広報担当者）という。
７歳の娘と共に訪れた同区の４０代女性は「子どものころ、母や祖母と来ていた。大人の買い物は退屈で、自分にとってここでお菓子を買うことがメインイベント。娘にも楽しい体験をしてほしくて連れてきた」と大切な記憶をつないだ。
来店者がメッセージを書き込むことができるボードは１５日まで設置している。
いい茶0March 01, 2022 at 04:26PM
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