目には見えない優しさや思いやりは、人との関係の中で双方向が満たされていくことを分かりやすく語った絵本があります。
令和元年にTOブックスから刊行された「しあわせのバケツ」(キャロル・マックラウド/キャサリン・マーチン作、デヴィッド・メッシング絵)です。
作者は世界中の誰もが心にバケツを持っていると言います。それは、みんなのよい心や気持ちを入れておくためだと。バケツがいっぱいになると、とても幸せな気持ちになるし、空っぽになると、悲しく寂しくなります。誰かに優しい言葉やよい行いをしたら、その人のバケツを幸せでいっぱいにできるし、自分のバケツもいっぱいになります。
反対に、意地悪や悪口、無視やいじめはその人のバケツを空っぽにすると同時に、自分のバケツも空っぽにします。誰かに向けた「こんにちは」や「ありがとう」、転校生にかける「遊ぼう」の声など、毎日の行いの中に、バケツを幸せでいっぱいにする方法がたくさんあります。「しあわせのバケツ」をいっぱいにするのは大人も子供も関係ないし、お金も時間もいりません。バケツをいっぱいにするとみんなが幸せになれるのだと作者は語りかけます。
友人がこの本を6歳の子供に読んだとき、「僕はね、誰かに優しくしたとき、ここ(胸を指さして)が何だか、あったかくなるよ。それって、バケツがあったかくなってたんだね。お母さんもなる?」と聞いたそうです。
子供は日々、関わりの中でさまざまな感情体験を積み重ねていきます。うれしいことや楽しいことだけでなく、悲しいことや寂しいことなども子供の成長には必要です。大人は子供の気持ちを受け入れるだけでなく、そのとき、自分はどんな気持ちだったか、周りの人はどうだったのかなど、関係性の中で生まれていくことに子供自身が気付いたり、考えたりするきっかけをつくっていくことも必要です。
子供が見えないものを見ようとしていくその感性を育てていきたいものです。
(国立音楽大教授・同付属幼稚園長 林浩子)
October 16, 2020 at 05:30AM
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【絵本を味わう 子供とともに】「しあわせのバケツ」見えぬ優しさで満たされて - 産経ニュース
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